東京都では、CO2など温室効果ガス排出量を実質ゼロにするエミッション・ゼロの住宅を、都内で新築する建築主に対し、費用の一部を助成する東京ゼロエミ事業を、令和元年10月1日より開始。令和4年度予算規模は約132億円と、大幅に増大しています。令和4年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業につき、2022年8月16日現在の情報を調べてみました。
東京ゼロエミ住宅(ZERO EMISSION)概要
省エネ性能の高い住宅を普及させるため高断熱・省エネ・創エネを利用、温室効果ガス等の排出量を実質ゼロにすることを目指した環境にやさしい住宅を実現。家庭部門のエネルギー消費量の削減と共に、住宅の環境性能向上推進に寄与する事を目的に設置された助成金制度が東京ゼロエミ事業です。
東京ゼロエミ住宅は、東京都内における住宅のZEH化を促進するもので、部屋毎の温度差が小さい快適な住環境により、ヒートショック予防にもつながる健康住宅です。
令和4年度 東京ゼロエミ住宅導入促進事業(助成事業)概要
東京都は、2050年までに世界のCO₂排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現、2030年に温室効果ガス排出量を2000年比50%削減するカーボンハーフに向け取り組みを強化。令和4年度から、より高い省エネ性能等を備える「東京ゼロエミ住宅」基準を追加し、外皮平均熱貫流率をベースに、水準を3段階に設定し、助成事業を拡充しています。
事業期間
令和4年度から令和6年度まで(交付期間は令和8年度まで)
令和4年度の助成金額
住宅性能Ua値(外皮平均熱貫流率)基準
断熱性能と設備の省エネ性能に応じ、3つの水準が設定されました。
水準1:Ua値0.70W/m2K以下 | 水準2:Ua値0.60W/m2K以下 | 水準3:Ua値0.46W/m2k以下 | |
戸建住宅 | 30万円/戸 | 50万円/戸 | 210万円/戸 |
集合住宅等 | 20万円/戸 | 40万円/戸 | 170万円/戸 |
注:木造以外の構造住宅の場合、水準2 Ua値0.70W/m2K以下、水準3 Ua値0.60W/m2K以下。但し、令和4年10月1日以降、東京ゼロエミ住宅の設計確認審査の申請が行われたものについては、断熱性能(外皮平均熱貫流率) における木造以外の構造の住宅は木造と同じ規定により、審査・検査されます。
住宅性能・Ua値についてはこちらをご参照ください。

追加補助金
太陽光発電システムを設置
発電出力値 | 住宅種別 | 発電出力*に乗じる額 | 上限額 |
3.6kW以下 | オール電化住宅 | 13万円/kW | 39万円 |
オール電化住宅以外の住宅 | 12万円/kW | 36万円 | |
3.6kW 超・50kW未満 | オール電化住宅 | 11万円/kW | 550万円 |
(3.61〜49.99kW) | オール電化住宅以外の住宅 | 10万円/kW | 500万円 |
- 対象住宅1棟あたり。未使用品で、発電出力値合計が50kW未満。
- * 千円未満端数は切り捨て
蓄電システムを設置:単位住戸あたり
設置する太陽光システム出力値[注] | 助成額(以下①〜③のいずれか小さい額) |
4kW以下(蓄電池システムの単独設置を含む) | ①機器費の1/2の額(千円未満端数は切り捨て) ②蓄電容量(kWhを単位・小数点以下第3位を四捨五入)x10万円 ③80万円 |
4kW超 | ①機器費の1/2の額(千円未満端数は切り捨て) ②太陽光出力 x20万円 ③蓄電容量(kWhを単位・小数点以下第3位を四捨五入)x10万円 |
[注] 未使用品で、蓄電池システムの機器費が蓄電容量1kWhあたり機器費が20万円以下。SIIに登録済み製品に限る。複数台設置も可能だが、蓄電池システムの電気を使用する1住宅あたり助成対象額上限は上表助成額のいずれか小さい金額。
不動産取得税の減免措置
- 令和4年4月1日から令和7年3月31日までの間、東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱に基づく設計確認申請が行われ
- 以下のいずれかに該当する新築の東京ゼロエミ住宅の取得が
- 一定の要件を満たす場合、不動産取得税が減免されます。
水準1に太陽光発電システムを設置 | 5割減免 |
水準2、または、水準3 | 5割減免 |
水準2、または、水準3に太陽光発電システムを設置 | 10割減免 |
減免申請
- 減免を受けるためには、納税者本人からの申請が必要。
- 東京ゼロエミ住宅認証書、東京ゼロエミ住宅設計確認書等の必要書類を添え、所管の都税事務所 (都税支所)・支庁に減免申請書を提出。
仕様規定基準の概要
対象となる住宅は?
- 東京都の戸建住宅・集合住宅(同一建築物内に独立して単位住戸が二戸以上ある建築物)
- 単位住戸、及び、共用部分(人の居住の用に供する部分)の床面積合計が2,000㎡(605坪)未満
- 「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱」(令和元年6月28日付31環地環第86号)に基づき東京ゼロエミ住宅の認証を受けた新築住宅。認証は都が登録する認証審査機関が実施。
助成対象者
- 新築住宅の建築主(個人・事業者)
- 太陽光発電設備及び蓄電池のリース事業者
令和4年度 募集期間
令和4年6月22日(水)から令和5年3月31日(金)まで
令和4年度 申請受付スケジュール
- 申請は随時受け付け
- 申請総額が予算に達した時点で受付終了
- 令和4年度予算:約132億円
東京ゼロエミ住宅 認証申請方法
手続きフロー概要は、以下の通り
- 建築主(手続き代行者による申請手続も可能)が、認証審査機関に事前申請書等を提出。
- 設計段階 ➪ 東京ゼロエミ住宅基準に適合すれば、審査機関が設計確認書(または設計変更確認書)を公布
- 工事完了段階 ➪ 工事完了時には現地検査を行い、東京ゼロエミ住宅基準に適合していれば、認証審査機関が工事完了認証書を公布。
- 認証審査機関は、工事完了検査の結果、工事完了申請に係る住宅が、設計確認書等に記載された内容どおり工事が行われたことを認めるときは、東京ゼロエミ住宅認証書(以下「認証書」という。)に工事完了検査申請書の写し、及び、施工状況報告書の副本を1部添え、当該建築主に交付することにより当該住宅について東京ゼロエミ住宅である旨を認証する。
- 助成金の公布、不公布が決まる。
- 実績報告。
- 助成金交付。
※各認証審査機関で独自の様式を定めている場合もあるため、使用様式については
申請先の認証審査機関にお問い合わせください。
東京ゼロエミ住宅 認定をする登録認証審査機関
登録認証審査機関(令和4年7月25日現在)のリストはこちらをご参照ください。
審査機関も上記、認定様式のリンクから東京ゼロエミ住宅認証審査機関申請書(第13号様式)に登録住宅性能評価機関登録証の写しなど必要書類を添え、都知事に提出。
都知事が、申請者が認証審査を実施することを認める場合、認証審査機関登録簿に必要事項を記載の上、申請者が、認証審査機関として登録されたものです。出典:東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱
認証要件はどの様な内容ですか?
東京ゼロエミ住宅は、家庭部門のエネルギー消費量削減に向けた住宅の断熱性能、設備の省エネルギー性能、及び、設備の創エネルギー性能(環境性能)向上を目指し、家庭部門のエネルギー消費量削減に向けた住宅の環境性能向上の推進に 寄与することを目的としています。
仕様基準と性能規定基準の分類は、住宅建築業者さんにお任せする部分ですが、令和4年6月2日施行、東京ゼロエミ住宅指針 改正に伴い、現行と改正後の比較表が公表されました。詳細はリンク資料をご覧ください。(引用元:東京ゼロエミ住宅指針)
主な助成条件
令和4年4月1日以降に工事に着工し、「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱」に基づき「東京ゼロエミ住宅」の認証を、登録認証審査機関より受けた新築住宅であること。
木造住宅の認定適合状況を確認する水準
Ua値基準[注] 水準1・水準2・水準3 から1つ選択
[注] 上述 令和4年度の助成金額「住宅性能Ua値(外皮平均熱貫流率)基準」をご参照下さい
木造以外の構造(例:鉄骨、RC造)住宅の認定適合状況を確認する水準
令和4年10月1日以降、東京ゼロエミ住宅の設計確認審査の申請が行われたものについては、断熱性能(外皮平均熱貫流率) における木造以外の構造の住宅は、木造と同じ規定により、審査・検査されます(令和4年10月1日施行)
東京ゼロエミ住宅におけるオール電化該当の有無
- 該当あり・該当なし のいずれかを選択
- オール電化の該当あり・なしのどちらでも交付対象
- 不動産取得税減免にも影響なし。
東京ゼロエミ住宅の評価方法
ZEHの普及率は、全国平均約3%に対し、東京都内は約1%の低レベル。狭小な土地利用が多く、斜線制限に伴う屋根形状もあり、太陽光発電システムなど取組が進み辛い現実があります。

他にも、ZEHの性能値算出は、省エネ計算に馴染みの薄い中小住宅事業者にとっては、理解できずに、対応しきれていない事も原因でしょう。ゼロエミ住宅では、ZEH のような性能値ではなく、「仕様」による基準を主要な評価方法として採用している点が特徴です。
太陽や風通しなど、自然の力を考慮したパッシブデザインを使った建築による省エネ化。換気設備による省エネ化はZEHと一緒ですが、ZEH のような性能値(断熱性能と省エネ性能を建築物省エネ法の計算法に準拠した専門の省エネプログラム=WEB プログラムで計算した性能値)として算出する必要がなく、仕様をクリアした建材・設備・製品を使えば、基準を満たせる形になっています。

イメージ引用:東京都環境局HP
住宅性能を達成できるのはZEHビルダー!
地球規模での環境問題深刻化の兆しが、今回の大型台風の被害にも現れています。Co2削減は産業界や政府にお任せ。という、時代は遠に終わり、一人一人、一家族一家族が、それぞれの立場でできる事を、小さな事から積み重ねてゆく必要に迫られているのではないでしょうか。
残念ながら、ZEHの助成金との併給は不可となりましたが、地域型住宅グリーン化事業や、次世代住宅ポイント制度との併給は可能です。都内で住宅新築を検討されている方は、初期投資の嵩む省エネ住宅新築コスト、東京ゼロエミ住宅の補助金を上手く活用する事をオススメします。
- 地球環境問題に寄与するのは勿論
- 断熱性能の高い、夏涼しく冬暖かい快適な夢我が家で健康に暮らし
- 光熱費の削減が可能なばかりか
- 蓄電設備を備える事で、災害時の長期停電に備える事もできます。
東京都で新築検討中のご家族は、是非、東京ゼロエミ住宅の助成金活用を検討してください。
東京ゼロエミの住宅性能Ua値(外皮平均熱貫流率)を達成できる複数の住宅建築業者から、見積もりとプランをネットでお取り寄せできるサービスが便利です。
【PR】タウンライフ
引用元:
クール・ネット東京 令和4年度東京ゼロエミ住宅促進事業
住宅性能についてはこちらの記事をご参照ください。
