2022年12月2日、国土交通省の2022年度第2次補正予算にて、2050年のカーボンニュートラル実現の一環として、こどもエコすまい支援事業を新設。2022年末より実施される事になりました。
快適な住環境を可能にする高気密・高断熱の高性能住宅は、年間を通じ冷暖房費用を削減できるものの、建築コスト負担が大きく、施主側は選択から外す傾向があるため、最大100万円の補助金により購入時の負担を軽減、快適な住環境での子育てをサポートする支援事業です。
こどもエコすまい支援事業とは
子育て世帯、若者カップルが省エネ住宅を新築・改修した場合にその費用を補助する制度。少子化対策も兼ねており、その内容は、こどもみらい住宅支援事業を更に拡充したものとなっています。
子育て世帯・若者夫婦の定義
子育て世帯 | 申請時点において、18歳未満の子を有する世帯(年齢は令和4年4月1日時点※で18歳未満。2004年4月2日以降出生の子)を有する世帯 ※令和5年3月31日までに建築着工するものについては、令和3年4月1日時点 |
若者夫婦 | 申請時点において夫婦であり、 令和4年4月1日時点※で、夫婦のいずれかが39歳以下である世帯 ※令和5年3月31日までに建築着工するものについては、令和3年4月1日時点 |
注文住宅の新築および新築分譲住宅購入については、子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する場合に限定されます。
補助金額
注文住宅の新築・新築分譲住宅購入
1戸あたり100万円
リフォーム
対象世帯 | リフォーム項目別 | 上限補助額 |
子育て世帯又は 若者夫婦世帯 |
売買契約額が100万円(税込)以上の既存住宅を、自ら居住することを目的に購入し、リフォームを行う場合 | 60万円/戸 |
同上 | 自ら居住する住宅でリフォーム工事を行う場合 | 45万円/戸 |
その他の世帯 (法人・管理組合を含む) | 売買契約額が100万円(税込)以上の安心R住宅を、自ら居住することを目的に購入し、リフォームを行う場合 | 45万円/戸 |
同上 | 上記以外のリフォームを行う場合 | 30万円/戸 |
省エネ改修すると1戸あたり最大30万円。子育て世帯・若者夫婦の場合は45万円にアップし、さらに既存住宅の購入を伴う場合は60万円にアップ。
安心R住宅とは、国土交通省の告示による「安心R住宅」制度。
対象工事の着手期間
2022年11月8日以降
[注] 対象工事: 注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入:基礎工事より後の工程の工事。 リフォーム:リフォーム工事。
交付申請スケジュール
2023年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)。予算上限に達した時点で受付終了。
対象となる工事
高い省エネ性能を持つ住宅の新築、及び一定のリフォーム。
新築対象住宅の性能要件等
次の1~4のすべてに該当すること
- 強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有するもの(ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready又はZEH Orientedに加え、令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素住宅 、性能向上計画認定住宅が該当)
- 住戸の延べ面積が50㎡以上(床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。吹き抜け、バルコニー及びメーターボックスの部分を除く。)により算定。なお、住戸内に階段が存在する場合、階段下のトイレ及び収納等の面積を含める。
- 土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域に立地しないもの
- 都市再生特別措置法第88条第5項の規定※により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの。
※「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外の区域」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、一定の規模以上(3戸以上又は1戸もしくは2戸で規模が1,000㎡以上)の開発によるもので、都市再生特別措置法第88条第3項に基づき適正なものとするために行われる市町村長の勧告に従わなかった場合、その旨が市町村長により公表できることとされています。
高い省エネ性能を持つ住宅の新築
- 契約日にかかわらず2022年11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手するもの。
- ただし、令和5年12月31日までに工事が一定以上の出来高に達した上で交付申請を行い、別途定める期間内に完了報告が可能なものに限る。
- 住宅の新築の場合、その住宅がZEH住宅(一次エネルギー消費量マイナス20%を満たす住宅)であり、且つ、延べ面積が50平方メートル以上。
新築分譲住宅の購入
- 令和4年11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手するもの。ただし、令和5年12月31日までにすべての工事が完了した上で交付申請が可能なものに限る。
住宅リフォーム
- リフォームについては2022年11月8日以降にリフォーム工事に着手したものに限ります。
- ただし、令和5年12月31日までにすべての工事が完了した上で交付申請が可能なものに限る。
- リフォームは世帯要件なし。子育て世帯・若者夫婦以外の世帯も対象となる。
住宅リフォーム対象工事の要件等
- 次の①~③、いずれか必須。④~⑧は任意。
- 次の①~⑧のいずれかに該当すること※
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
リフォームの対象は原則省エネ改修のみ。省エネ改修を行った場合に限り、子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置工事も対象とすることができます。
補助対象外 住宅リフォーム工事
以下に該当するリフォーム工事は補助の対象になりません
- ドアの一部および欄間に取り付けられたガラスを交換する工事
- 店舗併用住宅等の住宅以外の部分の工事
- 住宅の所有者等が住宅設備を購入し、その取付を住宅事業者に依頼する工事(いわゆる施主支給や材工分離による工事)
- 外皮以外の部分(外気に面しない間仕切壁)の窓やガラス、ドアの工事
- 屋外に設置した手すり工事や、屋外の段差解消の工事
- 太陽光発電設備の設置工事
- 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)の設置工事
- リース設備の設置工事
- 中古品を用いた工事
申請の流れ
住宅事業者は交付申請までに事業者登録をしておく必要があります。
登録事業者
補助事業 | 契約 | 登録事業者(補助事業者) |
注文住宅新築 | 工事請負契約 | 建築事業者(工事請負業者) |
新築の分譲住宅購入 | 不動産売買契約 | 販売事業者(販売代理を含む) |
リフォーム | 工事請負契約 | 工事施工業者 |
登録手続き
- 2023年12月末までに住宅事業者が交付申請を行います。その際、補助額以上の出来高が必要。申請が認められれば補助金が支給されます。
- 工事完了後、26年2月末までに完了報告を行えば、事業は一旦終了。仮に、完了報告期限までに工事が完了していなければ、補助金を返還する必要があります。
- ちなみに前回の「こどもみらい住宅支援事業」に登録した事業者は、22年11月8日以降に契約し、かつ同年12月16日以降に着工した新築またはリフォームにかかった費用について、上述の「断熱性能向上の補助金」または「高効率給湯器の補助金」の交付申請ができるとのこと。
資料:国土交通省 こどもエコすまい支援事業について 令和4年12月27日版
まとめ
2050年のカーボンニュートラル実現の一環として、国が力を入れている快適な住環境を可能にする高気密・高断熱のZEH、LCCM住宅。高気密・高断熱の高性能住宅は、年間を通じ冷暖房費用を削減できるものの、建築コスト負担が大きく、施主側は選択から外す傾向があるため、最大100万円の補助金により購入時の負担を軽減、快適な住環境での子育てをサポートする支援事業です。
子育て世帯、若者カップルが省エネ住宅を新築・改修した場合にその費用を補助する制度は、少子化対策も兼ねています。快適な住環境での子育ては、ご家族の心と体の健康に大きく寄与。住宅を新築・購入するなら、ご家族の健康を守る健康住宅をご検討下さい。
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参考:ZEHに住んでからの実感
一社 環境共創イニシアチブが、ホームページで公開しているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会2022年資料によると、夏季・冬季ともに、ZEHに住んでから快適な住環境を実感しているとのデータが、施主の方々から多く寄せられています。

出典:SIIホームページ ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会2022資料